『スモール・アパートメント ワケアリ物件の隣人たち』|ネタバレ感想|アホみたいなB級コメディ映画に隠された超名言

洋画

公開 2013年 アメリカ

監督 ジョナス・アカーランド

出演 マット・ルーカス、ジェームズ・カーン、ジェームズ・マーズデン、ジョニー・ノックスビル、ビリー・クリスタル、ジュノー・テンプル、ピーター・ストーメア、ドルフ・ラングレン、レベル・ウィルソン 他 

B級もB級で、話もめちゃくちゃなんだけどめちゃくちゃ好きな映画。DVD持ってたんだけど、たしか誰かに貸してどっかに消えたんだよなー。配信どこにもないので、また買おうかな…。

主演はマット・ルーカスという、「アリス・イン・ワンダーランド」で帽子を被った異様にハイウェストの双子(トゥイードルダムとトゥイードルディー)を演じた無毛症の俳優(正確に言うと脱毛症らしい)。最近だと「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」に出てました。

登場人物

フランクリン・フランクリン/マット・ルーカス

無毛症でピザの主人公。ボロアパートに住み普段はブリーフ一丁で過ごす。外出する時はカツラをかぶり(5種類くらいバリエーションがある)、モッズコートを羽織る。ズボンは履かない。まずそうな同じコーラだけを飲み、折に触れてホルン(短パンの男が吹く、のど飴のCMに出てくる楽器)を吹く。向かいのギャルの部屋を双眼鏡で覗くのが趣味。ひょんなことから大家を殺して(?)しまい、飼い犬の進言(劇中でここだけ喋る)で自殺を偽装しようとする。

オールスパイス/ジェームズ・カーン

フランクリンの左隣に住む初老の男性。常識人ぶっているがメンヘラ女子中学生のようなグロ画を描くのが趣味のサイコ野郎。ホルンの件で大家に何度もクレームを入れている。大家が死んだことにショックを受け部屋中の薬を飲み自殺。

トミー・ボールズ/ジョニー・ノックスビル

フランクリンの右隣に住むヤク中の夢追い人であり夢老い人。服装と髪型はパンクロッカー風。一日一つ掲げた目標を達成するように心がけている。元アル中で現在は宗教にかぶれた母親と、ぽっちゃり系の彼女(のちのバチェロレッテ)がいる。最後はコンビニでバイト中に強盗に遭い銃殺される(ひどい)。

バート・ウォルナット/ビリー・クリスタル

大家の殺人事件を担当する刑事。副業として某アニメ映画の一つ目妖怪の声をあてている。妻に浮気され激おこ。家を出てホテルで暮らしていたが、“The Answer”のテープを聞いて考えを改め犬を連れて我が家へ戻る。フランクリンが犯人だと確信していた。

シモーン/ジュノー・テンプル

フランクリンの向かいに住むギャル。いつものジュノー・テンプル。フランクリンのいたいけな童貞心をあざ笑うクソビッチだが、トミーをひそかに想っており、強盗に撃たれた彼を泣きながら「大丈夫よ」と励まし続けるという優しい一面もある。ラスベガスに旅立ち一流のストリッパーとして働くのが夢。

オリヴェッティ/ピーター・ストーメア

アパートの大家。ただのアブルッチ。家賃の督促をかさにきてフランクリンにオーラルプレイをさせようとしたぐう畜。なおノンケである。マスタードに足を滑らせ床に頭を打ち付けて死ぬ。死後フランクリンによる自殺工作で胸をナイフで刺されショットガンで頭を吹き飛ばされたあと燃やされる。因果応報である。

メノックス/ドルフ・ラングレン

うさん臭さのすごいミリオンセラー作家。筋肉隆々で白髪染めのような黒々とした頭髪が特徴。劇中ではうさん臭い自己啓発本を出版する以外とくに何もしていないが、フランクリン兄弟に因縁をつけられてゲンナリ。

バーナード・フランクリン/ジェームズ・マースデン

精神療養所に入院していたフランクリンの兄。毎日(平日のみ)フランクリンにカセットテープの入った封筒を送り続けていた。しかしある日を境に届かなくなったので不審に思ったフランクリンが療養所まで訪ねると彼は死んでいた。そのうえ強制入院と思われていた彼の入院は実は自身の意思で、イカれていたのではなく頭に腫瘍があるだけだった。死後フランクリンに残したテープには「悪徳会社の会計係をしていた時にピンハネして貯めた膨大な金をお前にやる。人生をまた始めろ」という内容が録音されていた。

その他の出演者↓

フランシーン/サフラン・バロウズ
トミーの母/アマンダ・プラマー
トミーの恋人/レベル・ウィルソン
オグラディ/デヴィッド・ケックナー
マクギー/デヴィッド・ウォーショフスキー
医師/ロージー・ペレス
酒屋の店員/DJクオールズ
スイス航空スチュワーデス/アンジェラ・リンドヴァル
救急隊員/ネッド・ベラミー

感想

これは!
超名作!
ジュノー・テンプル目当てで見たけど
(もちろん彼女は素晴らしかった。トミーの死ですすり泣く彼女が切なすぎて…それまでのビッチ描写が効いてた)

とてもすばらしいお話でした。
この映画のテーマが集約されている最後のバーナードのテープ。
素晴らしいのでまんま貼ります。

めちゃくちゃネタバレになるので超注意

the answer

何を恐れてる
What are we so scared of?

人生は一度きりだぞ
You only get one shot at this life.

やり直しはきかない
There are no do-overs.

時間を無駄にするな
Time wasted is time lost.

過去は亡霊
The past is ghost.

未来は夢
The future a dream.

あるのは“今”だけだ
There is only right now.

許す心を持とう
We need to forgive each other, Franklin.
 
不完全な俺たちは そうやって前に進むんだ
Forgive and keep moving forward, because we’re all so ridiculously imperfect.

 そして“家”を見つけよう
And we need to find a place we call home.

自分が愛され くつろげる場所
A place where we know we’re loved and we feel safe.

今は全てが分かる
I see it all so clearly now.
 
小さなアパートでも 大邸宅でも関係ない
It doesn’t matter if you live in a small apartment or some big mansion on a hill.

療養所だろうが 輝くビーチだろうがね
It doesn’t matter if you live in a mental institution or on sunny beach in St Croix.

自分の心次第
It’s all in your mind.

人生は自分で決めるものだ
Every moment of your life is what you make it.

痛み
Pain.


Love.

恐れ
Fear.

幸せ
Happiness.

どれを選ぶのか
You choose to feel each of them.

幸せを選ぶんだ フランクリン
So choose to be happy, Franklin.

幸せになるために
choose to be happy.

幸せは心の持ちようだ
because happiness is a state of mind.

素晴らしすぎる一節。調べたら過去は亡霊~のくだりは伝説的コメディアンであるビル・コスビーの言葉らしい。
良いこと言うなあ。「過去は亡霊」というセンスがすごいわ。

結局フランクリンの自殺の偽装は失敗してすぐに警察がアパートにやってくるんですけど、すれ違いにフランクリンは兄がいた療養所に行ってて、彼の遺したテープを聞いてその足でスイス行っちゃうんですね。んで、スイス行きの飛行機でメノックス大先生と隣になったので、「てめーの本はクソだ」的なこと言って超ドヤ顔。

そのあと上記のテープを刑事が聞いているシーン。
ここで、住人たちの部屋(フランクリン、トミー、オールスパイスのもう誰もいなくなった部屋)を映したり、すすり泣くシモーンや、死体安置所のトミーの横で涙ぐむお母さんのカットを入れるのがまた、ね、いいですよね…

んで、テープには“The Answer”(答え)と。
メノックスの本には書いてなかった答え、と。

刑事は車を降りて、なぜか懐いてしまったフランクリンの犬を連れて奥さんのいる我が家へ帰っていきます。

最後はスイスで短パン履いてホルン吹いて美女たちと楽しそうに踊るフランクリンのカットで終劇。

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