『クレイジー/ビューティフル』|ネタバレあらすじ・感想|布面積の少ないキルスティン・ダンストの良作恋愛映画

洋画

Crazy/Beautiful

公開 2001年

監督 ジョン・ストックウェル

出演 キルスティン・ダンスト、ジェイ・ヘルナンデス、ブルース・ディヴィソン、ルシンダ・ジェニータリン・マニング、ロランド・モリーナ

Netflixに突如現れた、Wikipediaにすら英語版しか記事がないキルスティン・ダンストの青春恋愛映画。TSUTAYAで10年以上働いていた僕も存在を知りませんでした。

公開は2001年なので、キルスティン・ダンストがトビー版スパイダーマンでMJを演じるひとつ前の年の作品。撮影当時の彼女は22歳くらい。高校生役なのでもっと若く見える。共演はジェイ・ヘルナンデスというラテン系の俳優で、どこかで見覚えがあると思ったら「ホステル」で酷い目に遭う人でした。監督はジョン・ストックウェル。ポール・ウォーカーとジェシカ・アルバの「イントゥ・ザ・ブルー」を撮った人。

とにもかくにもシンプル恋愛に一喜一憂するキルスティンが見られる映画。なんだかんだ言ってキルスティン・ダンストが一番可愛いのだ。

↓以下ネタバレあらすじと感想↓

忙しい人のためのあらすじ

不良JKニコール(キルスティン・ダンスト)。ある日海岸で奉仕活動のゴミ拾いをしていると、不良4人組のだる絡みに遭う。しかしその中にイケメンのカルロス(ジェイ・ヘルナンデス)がいたので色目を使ってみたら、なんと学校が一緒だった。カルロスはアメフト部で頭も良くて将来はパイロットとかいう高スペックで、ニコールは瞬く間に恋に落ちる。そして友達と3人で夜遊びに出て、あっという間にキスして翌日くらいにはもうコネクトかと思いきや親フラで未遂に終わる。とにもかくにもカップルとなった2人だが、ニコールが男をダメにするタイプの女であったために双方の両親が猛反対し2人の中を裂こうとする。しかし「夢も恋も諦めない」男だったカルロスは自分の親を説得し、施設への入所が決まったニコールを迎えに行く。ニコールの父親も「その男気、買った!」とイケメンを認め、まさかのハッピーエンド。

忙しい人のための感想

・ニコールがかわいい
・ニコールがかわいそう
・親父かっこええ…

あらすじ

導入はキルスティン・ダンストの語りから。あれは17歳の時で、彼に出会った時が人生が始まった時だとか何とか。オープニングのスクラップブックみたいな映像からビーチに場面が変わると、ヒスパニック系の悪ガキっぽい4人組がゴミ拾い(ティーン映画でよく見る、高校生が悪いことをするとさせられるボランディアみたいなやつ)をする濡れ髪JK・ニコール(キルスティン・ダンスト)をナンパするシーンになる。あからさまにウザそうな顔で対応するニコールだったが、その中の1人カルロス(ジェイ・ヘルナンデス)がイケメンな上に同じ学校の子だとわかりニッコリ(ニコールだけに)。

ニコールは何やらエラい議員の娘で、素行の悪さで継母に疎まれつつ、デカい門があるレベルの家に暮らし、友達マディ(タリン・マニング)とヒッピー仲間たちとともに少々治安悪めな青春を送るJKである。一方でカルロスは、貧しい家庭に生まれながらも海軍のパイロットになるため、朝5時に起きてバスで2時間かかる高校に通う真面目君だ。

海岸での出会い以降、カルロスは授業を抜け出しハッパを吸って酒を飲むニコールたちを見かけるようになる。ある日トイレで教室を出ていた彼は駐車場の車の陰でサボっていたニコールたちに呼び止められ、それが教師に見つかり居残りの巻き添えになってしまう。こちとら2時間かけて学校に来てるんだから、君らのやさぐれに巻き込まないでくれとニコールをウザがるカルロス。その日は部活に遅刻したペナルティで居残り筋トレをさせられた挙句バスに乗り遅れ、帰りが遅いと母親に怒られてゲンナリ。あれもこれもニコールたちのせいである。

それでもカルロスに気があるニコールは、彼のいるアメフトチームの試合をマディと一緒に観に行く。そんでカルロスのチームがカルロスの活躍で勝利し、テンションが上がりまくって、試合終わりのカルロスをナンパして家まで送るといって車に乗せる。カルロスは一個前のシーンまでニコールを煙たがってたくせに、自分が点決めて勝ったからってわりとノリノリ。ヒスパニック系の飲み屋街みたいなとこにも寄って、無防備に踊りまくるギャル2人。カルロスもニコールの腰や肩に手を回したりなどまんざらでもない様子ってかノリノリである。しれっとキスまでする。

すっかり遅くなって帰宅すると(踊って飲んでたんだから当たり前だ)、明らかに不機嫌なカルロス母。息子を家まで送ってくれたのだから感謝こそしたいところだが、時間が遅いしどう見ても不良だし、愛息子がたぶらかされてると思っても仕方ない。

翌日ニコールが学校へ行くと、昨日の噂がすでに広まっており、カルロスを狙ってたっぽい女子が露骨に喧嘩を売ってくる。しかしそんなことは関係ない。2人は校内の暗室(ニコールは写真が趣味らしい)で落ち合い、Netflixのサムネ撮影。んでもって放課後はニコールの家に行って、着くなりムードもへったくれもない展開、かと思いきや、カーテンのない窓の外におっさん(ニコールパパ)の姿が見えて、意気消沈のカルロス。未遂に終わる。帰る時、鉢合わせたおっさん(ニコールパパ)と話してたら、なんとおっさんは権力のあるおっさんで「海軍士官学校の推薦を取るなら協力するやで」っつって名刺をくれる。ラッキー。でもニコールは「あのおっさんは偽善者のおっさんよ」と不機嫌そう。

後日、親戚の手伝い?を断らせてまでカルロスを連れ出したニコール。たどり着いた先は飛行場。パイロットになりたいけど飛行機に乗ったことがない彼を自家用ジェットで空の旅へ。上空からの眺めを体験するくらいのアレかと思いきや、カルロスが操縦を代わってもいい?とか言い出す。パイロットのおっさんがもちろんと言って操縦桿を握らせるが、聞けばシミュレータでしか飛行経験がないらしい。全然「もちろん」ではない。でもカルロスに才能があったのでよかった。

幸い不慮の死を遂げることなく地上に戻った2人は、学校でも外でも一切憚ることなくイチャイチャな日々を送る。自由奔放で周りの目を気にしないニコールと過ごすうち、型通りだった自分の人生が解放されて、自分も自由になったと語るカルロス。しかしそんなケータイ小説のような日々も長くは続かない。

ある日カルロスが家に帰ると、いつものようにカルロスママが小言を言ってきて、直前に白人と友人たちが揉めて気が立っていた彼はブチギレ。俺の人生なんだから好きに生きるんだ!と声を荒げる。するとスキンヘッドで体格のいいカルロス兄が立ち上がり、「お前は俺が果たせなかった夢を叶えるんだ。それを白人娘のために棒に振るな」的なことを言ってくる。いやどのツラ下げてそんなこと…ひょっとしてお前、棒に振ったクチか?とは口が裂けても言ってはいけない。マッマもアッニもカルロスのためを思って、棚に上げた心を鬼にして言っているのだ。

ニコールと自分の家族とで板挟みになったカルロスは、推薦のために取り付けたニコールパパとの約束をすっぽかしてしまう。次があるとニコールはいうが、常識的に考えて次はなさそうである。かといって別に慌てて会いに行くとかでもなく、知り合いの誕生会に行くカルロス。身内の誕生会だからと帰りかけたニコールだが、寂しかったのでジョインしてみるもあまりのアウェーぶりに2秒で後悔した上、元カノとイチャつくカルロスを目の当たりにし、煮湯を飲まされた気分になって早々に車をぶっ飛ばした。

しばらくして、カルロスの実家に電話をかけてきたニコール。迎えに行ったら、どっかの通りで黄昏ていたので話を聞くと「私、あなたを愛しちゃってるみたい」と。ほう…

翌週のある日、カルロスはニコールパパの職場に会いにきていた。推薦をもらうための、この前バックれたアレだ。ニコールパパに前回について訊かれると、「キャンセルの電話はしたんですが、秘書の方が伝え忘れたのかもしれません」と答えるカルロス。ニコールパパは怪訝な顔をして、わざとらしく大声で秘書を呼び連絡があったかと尋ねる。私は知りませんがと秘書。まさかとは思うが、嘘すか?これまでのカルロスでは考えられない嘘である。出来心だとしてもモラルが低い。私もそんなに暇じゃないとニコールパパ。そのままカルロスを詰めるのかと思いきや、ニコールと関わった男はみんなダメになる、みたいな話になる。ニコールの母はニコールが12歳の時に自殺。亡骸を発見したのが彼女で、その瞬間ニコールは明日を呪う人間不審者になったのだという。私は娘を愛しているし、君のことも信頼している。だから推薦状を書くとしたら、ニコールにはもう近づかないのが条件だ、とニコパパ(略した)。

それからしばらくニコールを避けていたカルロス。ニコールが学校で話しかけてきて、とにかく将来のために集中しないと。パパに君には近づくなって言われたし。ふーん。あなたは何て答えたの? 黙るカルロス。ニコールは唇を震わせて、わかったわと言って去っていく。

それからというもの、上の空の日々を過ごしていたカルロス。勉強も部活もどこか身に入らない。辛抱たまらずニコールに電話をかけると、彼女は治安の悪いパーティーでしこたま酔ってクズっぽい奴といい感じになっていた。すんでのところで駆け付けたカルロスは泥酔状態の彼女を車に乗せるが、運悪くパトカーにつかまってしまう。警察に連れられて家に帰ってきた二人。継母にこんなこといつまで続くのと呆れられ、ニコパパはカルロスに帰れと言う。

なぜ私を憎むの?


私が世界中でただ一人愛してる人になぜ…


私の一番大切な人に…


近寄るなって言うなんて…


私が皆を不幸にすると思うの?


私には愛される価値なんてないと?

翌日、カルロスは学校でニコールを探したが、彼女はどこにもいない。

と思ったら授業中(テスト中?)、大人に連れられて廊下を歩く彼女の姿が。慌てて教室を出るカルロス。写真部の部室でなにやら荷物をまとめている様子の彼女。どうやら施設に入るらしい。会えてよかった、と握手をする二人。「ここを出よう」とカルロス。え? いや、でも試験をサボるなんて…

「もう遅い」笑いどころ)

「テストも進学もお父さんもどうでもいい。君といたい。愛してる」

本気?付き添いの人、大男だけど大丈夫?→裏から出ればいいじゃん!

そんなこんなで最低限の荷物を持って、2人だけの世界に車を走らせるカルロスとニコール。遠く離れたモーテルに泊まり、ピンクのマジックペンで爪を塗り、卒アルを見るテンションで彼女の手記を見る。そこには、カルロスやニコールママの思い出の写真などが収められていた。ママは眠ったように死んでた。パパは私がママのように後を追わないか心配してる。お父さんは君を愛してるよ。ただ戸惑ってるだけだ、とカルロス。

せっかく努力したものを私が奪ってる


人を不幸にするのはもういや


一緒にいたいから


逃げるのはやめるわ

ニコパパは寝ずにニコールを探していた。電話で。彼女が戻ると、施設には馬もいるぞ、好きだろ、馬。この父親やっぱりだめだ、と思ったが、施設には行くとニコール。さすがに彼女にも自覚があったのだ。私が親でもそうすると。でもニコパパも、妻が自ら命を絶って、残った娘も自暴自棄な感じでいつ母親の後を追うかヒヤヒヤしてて、ニコールは自分が母親と重ねられてるのをひしひしと感じていたんよね。それが死ぬほど辛かったと。好きで面積の少ない服を着る不良になったわけじゃない。辛くて、いつの間にかこうなっていた。「僕だってね、命を救うスペックがほしかったですよ」。こんな私でも愛してほしいと声を震わせるニコール。愛しているさ、とニコールを抱きしめるニコパパ。

とそこへ、モーガン(ニコールの小さい義妹)の水泳教室の時間よ〜つって、義理のマッマ登場。あら、なんでニコールがここにいるの?施設に入れるのよね?といつものように不機嫌。私には守るべき子供がいるのよ!という義理マッマに、私にもいる!2人な!!私には彼女が必要だ!!と返すニコールパパ。モーガンの初めての水泳教室が始まるのよ!!義理マッマ。娘と話してる!!!ニコールパパ。モーガンが尊敬できるお姉さんになってほしいだけよ!!!義理マッマ。私もよ!!!!!ニコール。呆れたように去っていく(モーガンの初めての水泳教室に行く)義理マッマ。

ママとは違う、とニコール。そうだな、素晴らしい女性だった、とパッパ(笑いどころ)

外で待っていたカルロスの元へやってきた2人。娘さんを僕にください演説をする気満々だったカルロスを制し、ありがとうと感謝を述べるパッパ。「私の忠告を無視してくれて」つって、かっこよすぎ。

事態がひと段落したというのに、まーた車でどこかに行こうとしている2人。

なにが起きたの?


何をしたの?


ー僕は何も。いなかったし


いたわ。すぐそばに

数年後、パイロットになったカルロスの姿と、来年彼に会いに行くというモノローグで映画は幕を閉じる。

感想

や、感想もなにもないくらいシンプルな恋愛映画なんですけどね。

シンプル過ぎて、キルスティン・ダンストそこそこ好きな僕でもこんな映画あるんだってなりましたから。

ストーリーはともかく、キルスティン・ダンストの存在がただただ良い。彼女の「全然不良のイメージないのに不良に見える」という、だまし絵みたいな演技力。しかもただの不良じゃなくて、訳アリ自暴自棄起因の不良ね。今書いてて思ったけど日本で言うなら河合優実みたいな感じだ。でも河合優実は不良のイメージしかない。正統派美人じゃないという点では顔はある意味似ている。

若めの義母は言うまでもなくイヤな人なんだけど、いや、イヤな人っていうか、義母目線で言ったら他人同然の不良娘だから、あの対応は致し方ない気もするが、まあ、子持ちと結婚するってことはそういう責任も果たさないといけないって意味ではちゃんと母親してないっていう見方もできるけど、にしてもイヤな人に描かれてたな。まあいいや。んで、お父さんね。アメリカの州議会議員で、先妻に先立たれたけど若めの奥さんをもらって、娘に無頓着な感じを出してて、カルロスに「娘に会うな」と言ったり、前半では義母と同じくわりとイヤな人に映ってました。

でも最後は亡くなった奥さんとの娘であるニコールを心から大切に思っていて、夫としてもモーガンの父としても良くあろうとするあまり、偽善者に映ったりとか、まあニコールとすれ違ってしまっていたんだと。ニコールを追い出そうとする義母を父親色の覇気で黙らせるところかっこよすぎたな。

「ありがとう。私の忠告を無視してくれて」って台詞、言ってみたいですね。言われるのでもいいですけど。

そんなわけで、無名で古い映画ながら良作でした。マル。

コメント

タイトルとURLをコピーしました