ネタバレあらすじ・感想|『リアル・ペイン〜心の旅〜』に学ぶポーランドという国とホロコースト

洋画

A Real Pain

公開 2024年 アメリカ

監督 ジェシー・アイゼンバーグ

出演 ジェシー・アイゼンバーグ、キーラン・カルキン、ウィル・シャープ、ジェニファー・グレイ、カート・エジアイアワン 他

「僕らの世界が交わるまで」で長編映画監督デビューを果たした、「ソーシャル・ネットワーク」でお馴染みジェシー・アイゼンバーグの監督2作目。監督するだけじゃ飽き足らず脚本も書いて主演もしている。多才の男。さすがはフェイスブックを作った人である。

共演はカルキンファミリー最後の刺客キーラン・カルキン。「スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団」以来鳴りを潜めていたが、急に出てきてアカデミー賞助演賞を獲るというイケメンぶり。カルキンの血を継ぐキーランがこんな偉大な功績を残すの何かアツい。これにはマコーレーもニッコリ。

しばらく疎遠だった従兄弟同士の正反対な2人が、祖母の遺言で参加したポーランドのツアー旅行を通して「本当の痛み(リアル・ペイン)」と向き合うヒューマンドラマ。あらすじで書くと大した話じゃないけど、脚本と主演2人の演技だけで名作になってるという。一番難しいんだよねそれが。

※以下、めちゃめちゃネタバレを含みます。観ていない方は閲覧注意!

あらすじ

心配性で堅実な男デヴィッドと、正直で陽気な男ベンジー

空港のベンチに座り、行き交う人たちを眺めるヒゲ面の男(その顔はまぎれもなくカルキン一族である)。空港までの道すがら「もう家を出たか」「渋滞してるから気をつけて」と電話をかけまくる心配性天パ眼鏡の男。ベンジー(キーラン・カルキン)デイヴ(ジェシー・アイゼンバーグ)は従兄弟同士で、亡くなった祖母ドリーの祖国ポーランドのツアーに参加するため、空港で待ち合わせていた。

「いつ着いた?」とデイヴが訊くと、「3時間前」とベンジー。今が出発の2時間前だ。「空港は早くからやってる。変人の観察が楽しい」とさ。

久しぶりの再会を喜ぶデイヴとベンジー。デイヴは眼鏡をかけているだけあって都市部に住み、デジタル広告を売り、結婚して子供もいる。ベンジーは髭を生やしているだけあって職探し中で、何かとプラプラしている。メガネとヒゲ。正反対な2人(ちがう)。

ホテルに着き、レセプションで予め郵送しておいたハッパを受けとるベンジー。(デイヴのスマホで音楽をかけながら)シャワーを浴び、ラウンジで他の参加者たちと合流。

勇敢な戦士たち

ツアーガイドのジェームズ(ウィル・シャープ)、老夫婦ダイアン(ライザ・サドヴィ)&マーク(ダニエル・オレスケス)、マーシャ(ジェニファー・グレイ)、エロージュ(カート・エジアイアワン)たちと簡単な自己紹介を済ませ、早速ツアーが始まる。

一行が最初に訪れたのは、ゲットー蜂起記念碑。ユダヤの人たちが決して無抵抗で殺されたわけではない、という記念の碑だ。これは痛みのツアーになる、とジェームズは説明する。

記念碑を後にし、ワルシャワの街を少し歩いて昼食を済ませたあと、今度は別の記念碑にやってきた。ドイツ軍と戦ったワルシャワ市民たちの銅像、ワルシャワ蜂起記念碑だ。

みんなが武装したワルシャワ市民たちのバカでかい金属の彫刻をおのおの眺めたり写真を撮ったりする中、銅像の横で同じように銃を構えるポーズをとるベンジー。そんなんして大丈夫かと最初は訝っていた参加者たちも、次第にベンジーのテンションに乗せられ、全員戦士になりきった。「僕はいい」と最後まで乗らなかったデイヴは全員分のスマホを両手いっぱいに持たされ、バカでかい金属の彫刻とともに戦うみんなを一枚ずつ写真におさめるのだった。

ワルシャワ・ゲットー蜂起

ポーランドのワルシャワにあるこの記念碑は、1943年のワルシャワ・ゲットー蜂起を記念して1948年に建てられた。ゲットーとは、ユダヤ人の隔離地域のこと。第二次世界大戦で東ヨーロッパの一部を占領したドイツ軍は、その地域に住むユダヤ人を隔離し、収容所に送ったすえ殺害していた。当初ユダヤ人たちは収容所に送られても殺されることはない、と僕たちは戦わないことを決めていたが、そのうち収容所が労働をさせるため施設ではなくユダヤ人を殺害するための施設であると気づいたユダヤのレジスタンスが武装蜂起を起こした。

ワルシャワ蜂起

1944年、ポーランド国内軍がドイツ軍に対して起こした武装蜂起。蜂起のきっかけは一時優勢となったソ連の呼びかけだったにも関わらず、ドイツが思いのほか強くて反撃を喰らった途端にソ連は援護も支援もしてくれずポーランド軍は壊滅に至った。蜂起を開始したのは8月1日17時。「W」と呼ばれるこの時刻には現在でもワルシャワではサイレンが鳴り、市民は1分間の黙祷をするってwikiに書いてありました。

初日のツアーが終わり、ホテルの屋上でハイになる2人(デイヴは見つかって怒られないかと心配していた)。

お前は…“周回遅れ”の男の体に閉じ込められた最高の奴

俺はそいつを救い出す役目なんだ

一等車と一番古い墓石

翌朝、列車で次の目的地へ向かう一同。席が“一等車”だったのでウハウハの参加者たちをよそに、何やら納得がいかないご様子のベンジー。当時のユダヤ人の痛みを知る旅なのに、食事が出るようないい席に座るのはその痛みから切り離されているじゃないかと。感情的になってまくしたてるベンジーをなだめようといろいろ言うけど、お前だって昔は可愛い子供だったのに今じゃ天パを整えてるじゃんと返され「ぐぬぬ」なデイヴ(何でだ)。とにかく俺はそう感じるからといってベンジーは後ろの車両へ移ってしまう。食事を届けに彼を追いかけるデイヴ。

みんな楽しみしか求めてない

誰だって いつも幸せに生きるなんてムリなのに

昨日夜更かししてハイになっていたせいか、デイヴはいつの間にか眠ってしまっていた。目が覚めて慌てて起きると、降りるはずの駅を乗り過ごしていた。「熟睡してて起こせなかった」とベンジー。気を取り直して反対側の電車に乗るが、切符がないので車掌を避けやり過ごすことに。すれ違う車掌にトイレに行くところだと誤魔化し、前の車両に隠れる2人。すると何かに気づいたデイヴが「ここは一等車だ」と言うと、デイヴは「努力の結果だ」と言って笑った。

ポーランド東の地・ルブリンにやってきた一同。目的地への緑豊かで美しい街の道中、ベンジーが列車の中で言っていたことについて話す。マーシャは「漂うだけの人生を送るのは簡単」と言うと、エロージュは「衝撃的なことなど何もないかのように世界が続いていくことに戸惑う」と言った。ベンジーは大きく同意したが、デイヴは「すべての悲劇に涙してどうなる?」と後ろ向き。

「悲劇が減るかもしれない」ベンジー。

「分かるけど、悲しむには時と場所がある」デイヴ。

ベンジー「ホロコーストツアーだぞ。今が悲しむべき時と場所でないなら、話にならない」

デイヴ「ぐぬぬ」

グロツカ門

ルブリンにある、かつて市街とユダヤ人街の境目だった場所。

一同はグロツカ門をくぐり、ルブリンの旧市街へ出る。

ジェイコブの語りとともに、美しい街並みが順番に映し出される。(このシーン、真面目なウェス・アンダーソンって感じ)

ポーランドで最古の墓碑があるという旧ユダヤ人墓地に着いた一同。おのおのが感慨深げに墓を眺めている。ガイドなので当たり前だが、ジェームズはユダヤ人の歴史について語る。

するとベンジーが「君はいろんなことを知っててすごい」と前置きをしたうえで、「それは単なる事実の羅列で、リアルからは切り離されてる。観光名所をまわるだけで、現地の人との交流だって一度もない」と苦言。「このツアーは最高に楽しいけど、事実や数字は控えめにしてほしい」と頼んだ。ジェームズはしょんぼりしつつも彼の意見を受け入れ、ヤコブ・コペルマン・レヴィの墓を手短に紹介する。そして、彼の提案で墓碑の上に各々見つけたいい感じの石を置いていく参加者たち。

ヤコブ・コペルマン・レヴィの墓碑

1541年に没したユダヤ教のラビ(指導者)、学者ヤコブ・コペルマン・レヴィ。彼の墓はポーランドに現存するユダヤ人の墓で最も古く、かつ500年経った今でもオリジナルの場所に存在している。“墓の上に石を置く”という行為は、ユダヤ教に古くから伝わる伝統的なやーつで、死者へ敬意を表し冥福を祈る行為である。

あいつになりたい

ディナータイムに、食事は最高だけど音楽は微妙な店にやってきた一同。そのせいなのか何なのかベンジーはすでになんかちょっと機嫌が悪かったうえに、デイヴの彼に対する失言?(実際は祖母の発言の引用)が引き金となり、公衆の面前とは思えない態度をとり席を立ってしまう。

さすがに面食らい気味のみんなと、謝るデイヴ。話題が彼のことになると、デイヴは堰を切ったように話し始める。ベンジーはめっちゃいい奴だしコミュ力最強の男だけど、一緒にいると時々疲れ果てるし、憎らしさすらある。でもあいつになりたい。彼はクールで周りを気にしない。この地の生存者から彼が生まれたなんて信じられない。でも何で、だったら何で睡眠薬の過剰摂取なんかしたんだと、聞きたくても聞けないと。

ベンジーが半年前に自殺未遂をしたことを聞き、驚きを隠せない一同。デイヴが話し終わると、ピアノが鳴り始める。弾いていたのはベンジーだった。2人が幼い頃、一緒に習っていたのだという。さっきまでの演奏と違い、客の喝采を受けるベンジー。デイヴは曲の途中で席を立ち、ホテルへ戻ってしまった。

その日の夜、部屋のドアが開く音を聞いて目覚めたデイヴ。しかしまたすぐドアの音がして、電気をつけるとベンジーの姿がない。心配したデイヴは彼を探すが、結局見つからず、いつの間にか眠ってしまった。翌朝、部屋の電話のベルで目覚めたデイヴ。聞こえてきたのはベンジーの声だった。「どうした?もう全員揃ってるぞ。早く来い」? 下に降りると普通にベンジーはいた。昨夜はマーシャと騒いでいたらしい。悪びれる様子のないベンジーに、デイヴは少しおかんむりのようだ。

ア・リアル・ペイン

この日一行が向かった先は、市街からもほど近いマイダネクと呼ばれる強制収容所の跡地。跡地とはいえ証拠隠滅にかける期間が少なかったため、“保存状態がいい”とジェームズは語る。

収容されていた人たちの住居スペース、シャワー室、ガス室に残る青いシミ、焼却炉……かつての悲劇を想起させるいくつもの風景を目の当たりにした参加者たちの中に、言葉を発する者はいなかった。ただその惨たらしい形跡を、口を結んで見つめるばかりであった。

帰りのバンの中、ベンジーは人目も憚らず泣いた。祈るように手を強く合わせながら。

マイダネク(ルブリン強制収容所)

アウシュヴィッツと同じく、ナチス・ドイツがホロコーストを目的に設立した強制収容所兼絶滅収容所。正式名称はルブリン強制収容所だが、周辺住人が近くの村(マイダン)にちなんで呼んでいた名称・マイダネクがのちに有名となる。1942年の設立から2年で約8万人が犠牲になった。

殺された人たちの靴。男物に女物、子供の靴もある…。マイダネクは他の施設に比べ倉庫が大きかったので、他の収容所で殺された人たちの靴もここへ運ばれてきたという。

ガス室。マイダネクには6つのガス室があり、一度に1914人を殺すことができた。人々は部屋いっぱいに詰め込まれて殺されたために、死んだあとも体は直立したままだった、という世にも恐ろしい記述がある。Wikipediaに。壁に付着した空のような青色は、ガス殺に使われたチクロンBの残留物である。

祖母の家へ

ホテルに戻っても、マイダネクの余韻は彼らをほんの少し蝕んだ。エロージュは「でも何も感じないよりずっといい」と言った。そしてここで、ベンジーとデイヴは一足早くツアーを切り上げる。亡くなった祖母の家を訪れるためだ。別れを惜しみながら、笑顔で挨拶を交わす一同。

ジェームズはベンジーに「5年ガイドをしてるけど、有意義な意見は初めてだった」と感謝した。

それから彼らはルブリンの街へ観光に出かけた。普通に。歓楽街を歩き、変な帽子を買い、酸っぱくない何かを口に入れた。夜になると、その辺のビルに不法侵入してハッパを吸った。デイヴはベンジーの人生が気になって色々と聞いてみるけど、彼は歯切れの悪い答えばかり。「何も始めたくない」んだってさ。「じゃ何もするな」。デイヴはハイになった勢いで訊いてしまう。なぜあんなことをしたのか。

みんな お前を好きになる

お前が現れるとどうなると思う?

あの気分を味わえるなら何だってやる

人を魅了する気持ちが分かるなら

僕が現れ 場が輝くなら…

翌朝、祖母が住んでいた家の前に立つ2人。当たり前だけど、なんの変哲もない家だ。夕食の時間に遅れ、思いっきり叩かれたとき嬉しかったと話すベンジー。行きつけの店で、顔見知りばかりの場所でも自分を気にかけてくれたことが嬉しかったんだと。デイヴの提案で玄関口に石を二つ置いた。でも近隣のおっさんに「気持ちはわかるが住人が怪我したら危ないだろ」と言われてどけた。

他にすることもないのですぐに帰った。聖地巡礼ではままあることだ。行くのに時間はかかるが滞在時間は10分もない。「ここがあの…」ってちょっとエモくなって終わりだ。でもそれがいい。

来た道を戻り、そのまま空港へ向かった。半日のフライトのあと、何もなかったみたいにアメリカに帰ってくる2人(旅行から自分の街へ帰り着いた時の、あの何事もなかった感、めっちゃ寂しいよね)。

デイヴはベンジーを家族の夕食に誘う。でもベンジーは空港大好きマンなので、「しばらくここでゆっくりしてく」と。そんな温泉みたいに。すると突然ベンジーの頬を思いっきりひっぱたくデイヴ。祖母に叩かれて嬉しかったって言ってたから。いや全然状況が違うだろ。笑い合ってハグする2人。「俺は大丈夫」とベンジーは言った。

デイヴが愛する家族のもとへ帰るころ、ベンジーはまだ空港のベンチで人間観察している。映画がはじまったときと同じように。

感想

正直難しいことはよくわからないけど、なんか良かったですね。なんか。

まず前提として、俳優陣の演技が素晴らしかったですよ。ジェシー・アイゼンバーグは平常運転でいつも通り良いにしても、キーラン・カルキンが最高だったな。もうベンジーでしかないもんな。冒頭でも書いたけど、そんなに映画出演ないのにアカデミー助演男優賞とるのマジでかっこよすぎるし、ガイドのジェームズ、ツアー参加者のみんなもキャラクター配分が完璧で、脚本の妙を非常に感じました。結論ベンジーもデイヴもすごい。

お話としては、ポーランドのホロコーストツアーを舞台にベンジーとデイヴという対照的な2人の生き方?人生観?を描くロードムービーとでもいうのでしょうか。観光ツアーだから、ロードムービーの王道テンプレからはちょっとズレてる気もしますが。まあいいでしょう。なんでも。

ネット広告作ってて美人の妻と可愛い子供がいて常識もあるけど保守的で冒険しないデイヴの生き方と、周りを気にしなくてコミュ力がすごくてみんなに好かれるけど社会不適合者のベンジーの生き方。 デイヴは実はベンジーにものすごく憧れていて、ベンジーはベンジーでその超陽キャな性格の裏に、自死を選んでしまうような痛みを抱えている。お互いがお互いを補いあうとかそういうのもなく、デイヴがベンジーに「もっとちゃんとした生き方をしろ」と遠回しにチクチク言ったり、ベンジーがデイヴに「お前も昔はもっとこうだったのに」と口ぐせのように言ったりしても、結局はそういう生き方もあるよね、と享受するような関係が、「どうやって生きたってええねん、幸せであれ」と言われているようで心地よかった。

現実から遠ざかれば遠ざかるほど人は悲劇に鈍感になっていく。んでその遠近感もどんどん曖昧になっていって、最終的にはダイレクトに殴ってくるまで気づかなくなっていたりする。そうなったら遅いから、日頃から現実は切り離さんとこう、っていうアレですね。

なんかわかんないけどこういう感じのことが伝わればいいな、でもそれで何かが変わるかっていうとそうとも限らないみたいな、映画全体の雰囲気としてはそう感じました。世界の真理を知っても何も変わらないという現実の痛み(リアル・ペイン)を享受するような作品。良かった。

これからスクリーンでキーラン・カルキンを観る機会が増えそうな気がしないでもないけど、ベンジーだったら全然オファー断るんだろうな。やめとくよ。それよりここ(空港)でゆっくりしてくよ。

登場人物

デヴィッド・カプラン/ジェシー・アイゼンバーグ

本作の主人公。ベンジーとともに幼少期を過ごした祖母が亡くなり、彼女が残した財産でポーランドの観光ツアーを申し込んだ。心配主義で現実主義で事なかれ主義だが友達思い主義で家族思い主義。いい奴主義。

ベンジー・カプラン/キーラン・カルキン

本作のもう1人の主人公。ポーランドの観光ツアーにデイヴとともに参加する。変なやつを観察するのが好きな変なやつ。適当で不躾で品性はあまりないがコミュニケーション能力が異常に高くみんなから好かれる。普段はハッパを吸って屋根の修理を手伝ったりしているフーテン者だが、その奥に計り知れない痛みを抱えている、のかもしれない。

演じるキーラン・カルキンは本作でアカデミー助演男優賞を受賞、ゴールデングローブ賞や英国アカデミー賞でも同賞を受賞している。さらに2018年から2023年に放映されたドラマ「メディア王〜華麗なる一族〜」でも、ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)とエミー賞で主演男優賞を受賞している。どうした、キーラン・カルキン!すごいぞ、キーラン・カルキン!

ジェームズ/ウィル・シャープ

デヴィッドたちが参加したポーランドツアーのガイド。英国人だが、ユダヤの歴史に魅了されこの仕事に就いた。あけすけに物をいい、ガイドの仕方にも意見するベンジーに最初は戸惑うが、最後には「毎回意見を参加者に募っているけど、ちゃんと意見を言ってくれたのは君が初めてだ」と感謝を述べている。いい奴である。中の人はベネディクト・カンバーバッチ主演の映画を監督していたりする日本とイギリスのハーフ俳優。日本名は福田知盛。パートナーは女版ロキことソフィア・ディ・マルティーノ。

マーシャ・クレイマー/ジェニファー・グレイ

ツアーの参加者の1人。最近突然夫に出ていかれ、離婚。新しくできた恋人もろくでもない奴らしい。強制収容所を生き抜いた母に敬意を払うためツアーに参加した。

エロージュ/カート・エジアイアワン

ツアーの参加者の1人。ルワンダ出身で、かの虐殺を母と共に生き延びた。

ダイアン・ビンダー/ライザ・サドヴィ

ツアーの参加者の1人。定年退職をしたばかりの老夫婦の奥さんの方。

マーク・ビンダー:ダニエル・オレスケス

ツアーの参加者の1人。定年退職をしたばかりの老夫婦の夫の方。変なジョークを言う。

まとめ

この映画はベンジーか、もしくはデイヴみたいな人に観てほしい。

タイトルの「リアル・ペイン」には、「本当に痛い奴」という意味もあるとかないとか。

かくいう私は、どちらかといえばベンジーみたいな人だ。それもベンジーほどのコミュ力はないから、ただのチャランポランな奴だ。チャラン・ポ・ランタンだ。いやそれは失礼か。チャラン・ポ・ランタンではない。チャラン・ポ・ランタンは徳井の彼女で…いやそんなことはどうでもいい。いやどうでもよくはないが…どうでもいいか。

「こういうふうに生きていくのが正しいし、精神衛生上もいいに決まってる」は、人それぞれで、ベンジーみたいに吐き出せる人もいれば、デイヴみたいに事を荒立たせないことで心の平穏を保っている場合もある。わざわざ声高に言うことでもないけど、いろんな人がいてそれでいいじゃないかっていう、違うことを許せるようになる気がするいい映画でした。マル!

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